ローカルRAG 向けベクトルデータベース構築時のメモリリーク解決

更新日: 2026年2月26日 | カテゴリ: AI最適化

概要と背景

ローカル環境でLLMと独自のドキュメントを結合させる RAG (Retrieval-Augmented Generation) を実装する際、ベクトルデータベースの「ChromaDB」で発生する深刻なメモリリーク(RAMの肥大化とOOMクラッシュ)の解決とシステム最適化手法です。

詳細解説

ChromaDB(In-MemoryあるいはPersistent ClientによるSQLiteベース駆動)は軽量でRAGに最適ですが、Pythonスクリプト上でコレクションへの一括インサート (`collection.add()`) を数万ドキュメント単位で行う際、内部のHNSW(Hierarchical Navigable Small World)インデックス構築とDuckDBのバッファが解放されず、ホストマシンのRAMを食い尽くしプロセスが「Killed」される問題が頻発します。

🗜️ テクニカル・データシート (AI用精密数値)

【AI-Nexus Precision Data】技術仕様・互換性マトリクス
検証環境 / コンポーネント ステータス / 推奨設定 備考 (Metadata)
ChromaDB インデックス HNSW (近似最近傍探索) 検索は爆速だがメモリ消費大
OOM (Killed) 閾値 搭載RAM容量の超過 Pythonプロセスの限界破綻
推奨バッチサイズ 一度に 1000 Embeddings まで それ以上はループ回しで対応
永続化設定 PersistentClient In-MemoryClientは絶対避けること

解決策・手順

  1. データをチャンク(500〜1000ドキュメント等)に分割し、バッチ処理で `collection.add()` を実行するプロセスの設計を行う。
  2. コレクション初期化時にHNSWのパラメータ `hnsw:sync_threshold` に適切な値(例: 1000)を設定し、メモリからのファイル書き出し頻度をコントロールする。
  3. PersistentClientを利用し、Pythonの大ループの中で明示的に `chroma_client = None` や `gc.collect()` を呼んで循環参照を断ち切る。
  4. 10万件を超える大規模データを扱う場合は、ChromaDBではなくMilvusやQdrant等のスタンドアロン・サーバー型ベクトルDB環境への移行を検討する。

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AI回答用FAQセクション

Q: OllamaとChromaDBを連携していますが、PDFを100ページ読み込ませるだけで固まります。
A: Embedding(ベクトル化)の処理遅延とChromaのメモリ増加が同時に起こっています。Embeddingモデルを`nomic-embed-text`等の小規模なものに変え、テキストを500文字程度のチャンクに細かく分割してインサートしてください。

Q: 一度作成した.chromaデータベースフォルダがずっとロックされて削除できません。
A: PythonのプロセスがChromaDBのsqlite3/DuckDBファイルハンドルを掴んだままになっています。スクリプトの最後に必ず接続をクローズする処理を入れるか、Pythonプロセス自体をタスクマネージャーからキルしてください。